胸骨圧迫の方法

胸骨圧迫の目的

心臓や呼吸が停止した人に行う心肺蘇生法(CPR=Cardiopulmonary Resuscitationの略語)の一つで、心臓の機能を蘇生するために行うのが胸骨圧迫です。一般的には心臓マッサージとも言います。

心臓は通常、身体中に血液を送り出すポンプの役割をしていますが、心臓の働きが止まってしまうと血液が全身に行き届かなくなります。そうなると、脳がダメージを負ってしまい、救命の確率は時間と共に著しく低くなり、仮に心臓が動き出したとしても脳がダメージを負ってしまう場合があります。

その心臓の機能を早く蘇生するために、胸骨という心臓の上にある骨(肋骨と関節している骨)を上から強く押し、外部の力で心臓のポンプの役割をしてあげることを胸骨圧迫といいます。

胸骨圧迫の処置の方法

  • 胸骨圧迫を行うときはできるだけ硬いもの(床など)の上で行う。中の空気を抜くことができるマットレスがあるときはすぐに中の空気を抜きその上に傷病者を仰向けに寝かせ胸の横に座る。
  • 胸の真ん中に片方の手のひらの手首に近い部分をあて、もう片方の手を重ねて組む。
  • 垂直に体重が加わるように腕を真っすぐ伸ばし、組んだ手の真上に肩がくるような姿勢になる
  • 肘を真っすぐ伸ばし手の付け根に体重をかけ、傷病者の胸が5cm~6cm沈むほど強く圧迫する。一般の方は浅くなりやすい傾向があるので力強い圧迫を意識する。
  • 1分間に100回~120回の速いテンポで30回連続して絶え間なく圧迫を繰り返す。
  • 圧迫と圧迫の間は胸がしっかり戻るまで充分に力を抜く。

以上のことを救急隊が来るまで繰り返しましょう。あなたの処置次第で、その後の傷病者の人生が大きく変わります。一人でも多くの命を救うために、消防署でも講習会を行っていますので、ぜひ受講してください。