Emergency Medical Technician
"最前線"で救命医療チームを支える
命を守る1分1秒の国家資格
昼間部・3年制/1学年定員40名
救急救命士は病気や事故などによる重度傷病者が現場から病院に入院するまでの間、救急車内や病院などで医師の指示のもと、救急救命処置を行います。また、生命の危険のある病気やけが人に対しては、静脈路確保や気管挿管、薬剤投与などの特定行為(医療行為)を行います。
文部科学大臣指定
職業実践専門課程
救急救命士の活躍の場
救急救命士の多くは、消防署に勤務しています。消防署では消防本部の指令センターから指令を受け、救急車などに乗って現場に急行します。傷病者の症状を確認し、その場で必要な応急処置を行い、傷病者を救急車に収容し、搬送先の病院に向かいます。救急車内では、聴診器による心音・呼吸音の確認、心電図の測定、酸素吸入器による酸素吸入、自動体外式除細動器(AED)による除細動などの処置、更に救急指導医師の指示を受けながら、輸液や気管内チューブによる気道確保などの特定行為を行うこともあります。
救急現場の場所によってはヘリコプターで出動し、機内において処置をする場合もあります。また、救急救命士の資格を有していますが消防機関に所属していない救急救命士も増えていて、病院、ドクターカー、ドクターヘリの診療補助などの場面で活躍しています。
- 救急救命士国家資格
- 専門士(職業実践専門課程)
- 消防署
- 救命救急センター
- 病院
- 各都道府県警
- 海上保安庁
- 自衛隊
- 民間患者搬送会社(民間救急)
- 警備会社
- 介護福祉施設 など
救急救命士のここが魅力!
救急救命士の処置如何でその後の患者の運命が左右されるといっても過言ではなく、冷静な判断力と迅速な行動力が要求されます。
1991年に「救急救命士制度」がスタートして約30 年。令和3年12月24日現在の全国の消防署に勤務する救急隊員は65,181人、うち救急救命士の有資格者数は28,722人と救急隊員の44.1%に留まっています。救急車に1名ずつの配備が最低限必要といわれていますが、年間約593万件に上る救急出動に対応するためには、まだまだ救急救命士の数は不足しています。
近年、救急救命士に認められる医療行為の拡大が図られていて、医師の包括的指示によるの電気的除細動、医師の具体的指示に基づく気管挿管、薬剤投与、心肺停止前の輸液、血糖値の測定、低血糖発作症例へのブドウ糖投与が認められています。
さらに令和3年の法改正により、今後その範囲がさらに拡大していくことは確実で、消防組織以外に 病院に従事する道も開けつつあり、救急救命士への期待は高まるばかりです。
救急救命士による
救急救命処置
医師の具体的指示による処置
(特定行為)
- 乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保のための輸液
- 食道閉鎖式エアウェイ、ラリンゲアルマスク又は気管内チューブによる気道確保
- エピネフリンの投与(9.の場合を除く)
- 乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保及び輸液
- ブドウ糖溶液の投与
医師の包括的な指示による処置
(特定行為以外)
- 精神科領域の処置
- 小児科領域の処置
- 産婦人科領域の処置
- 自己注射が可能なエピネフリン製剤によるエピネフリンの投与
- ブドウ糖溶液の投与器を用いた血糖測定
- 聴診器の使用による心音・呼吸音の聴取
- 血圧計の使用による血圧の測定
- 心電計の使用による心拍動の観察及び心電図伝送
- 鉗子・吸引器による咽頭・声門上部の異物の除去
- 経鼻エアウェイによる気道確保
- パルスオキシメーターによる血中酸素飽和度の測定
- ショックパンツの使用による血圧の保持及び下肢の固定
- 自動式心マッサージ器の使用による体外式胸骨圧迫心マッサージ
- 特定在宅療法継続中の傷病者の処置の維持
- 口腔内の吸引
- 経口エアウェイによる気道確保
- バッグマスクによる人工呼吸
- 酸素吸入器による酸素投与
- 気管内チューブを通じた気管吸引
- 自動体外式除細動器による除細動
- 用手法による気道確保
- 胸骨圧迫
- 呼気吹込み法による人工呼吸
- 圧迫止血
- 骨折の固定
- ハイムリック法及び背部叩打法による異物の除去
- 体温・脈拍・呼吸数・意識状態・顔色の観察
- 必要な体位の維持、安静の維持、保温
コラム
救急救命士学科1年生が調べて作成したコラムを掲載していきます。順次アップしていきますので、お楽しみに!
BLS(一次救命処置)とは
BLSはBasic Life Supportの略で、日本では「一次救命処置」といいます。一次救命処置は、心臓や呼吸が止まり、命の危険な人たちに対し、「命を救う」目的で行う重要な処置です。一般市民のように、医療の専門知識や […]
本校の魅力
Attractiveness
カリキュラム
Curriculum
1年生
科学1、科学2、科学3、英語、人文科学、社会科学、体育、礼式訓練・体力錬成、人体の構造と機能、救急医学概論、観察・評価、救急処置1・2、救急症候・病態生理学1~4、早期体験実習、シミュレーション(基本)1
2年生
礼式訓練・体力錬成、疾患の成り立ちと回復の過程、呼吸器疾患、循環器疾患、消化器疾患、小児・妊産婦疾患、神経疾患、その他の疾患1・2、心電図、外傷総論、外傷各論、シミュレーション(基本)2、シミュレーション(応用)1 、特別演習1(就職試験対策1)、山岳救命コース(選択)
3年生
礼式訓練・体力錬成、健康と社会保障、急性中毒学・環境に起因する疾患、シミュレーション(応用)2、シミュレーション(応用)3、救急車同乗実習(消防署実習)、臨床実習(病院実習)、特別演習2(就職試験対策2)、特別演習3(国家試験対策)
基礎分野
教育内容 | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
---|---|---|---|
科学的思考の基盤 人間と人間生活 | ・科学1 ・科学2 ・科学3 ・英語 ・人文科学 ・社会科学 ・体育 ・礼式訓練・体力錬成 | ・礼式訓練・体力錬成 | ・礼式訓練・体力錬成 |
専門基礎分野
教育内容 | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
---|---|---|---|
人体の構造と機能 | 人体の構造と機能 | ||
疾患の成り立ちと回復の過程 | 疾患の成り立ちと回復の過程 | ||
健康と社会保障 | 健康と社会保障 |
専門分野
教育内容 | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
---|---|---|---|
救急症候・病態生理学 | ・救急症候・病態生理学1 ・救急症候・病態生理学2 ・救急症候・病態生理学3 ・救急症候・病態生理学4 | ||
疾病救急医学 | ・呼吸器疾患 ・循環器疾患 ・消化器疾患 ・神経疾患 ・小児・妊産婦疾患 ・その他の疾患1 ・その他の疾患2 ・心電図 | ||
外傷救急医学 | ・外傷総論 ・外傷各論 | ||
環境障害・急性中毒学 | ・急性中毒学、環境に起因する疾患 | ||
臨地実習 | ・早期体験実習 ・シミュレーション基本1 | ・シミュレーション基本2 ・シミュレーション応用1 | ・シミュレーション応用2 ・シミュレーション応用3 ・救急自動車同乗実習 ・臨床実習 |
特論分野
今までは選択講座として、消防署勤務(公務員)を目指す学生のための公務員試験対策を行ってまいりましたが、救急救命士法の改定により増加傾向にある病院勤務を目指す学生のための就職試験対策を加え、特論講座としました。将来の志望により、二年時よりコースを選択できます。
教育内容 | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
---|---|---|---|
特別演習 | ・特別演習1 | ・特別演習2 ・特別演習3 |
選択分野
教育内容 | 1年次 | 2年次 | 3年次 |
---|---|---|---|
山岳救命コース(講義) | 山岳救命コース(講義) | ||
山岳救命コース(登山実習) | 山岳救命コース(登山実習) |
在校生からのメッセージ
渡邉 礼都さん
Raito Watanabe
救急救命士学科 第17期生
長野県須坂東高校 出身
メッセージ
「楽しみながら救急救命士を目指す」
私は家族から本校を勧められ入学しました。最初は救急救命士についてあまり理解していませんでしたが、資格を知れば知るほどやりがいのある仕事を任されていることを知り、自分も救急救命士として社会貢献したいと考えるようになりました。
実際、先生方に丁寧に指導していただけるので授業も問題なくついていけています。
また、勉強漬けの3年間になると思いきや学園祭や体育祭など学生が楽しめるイベントもあり、楽しみながら残りの学校生活を送りたいです。
望月 来夢 さん
Raimu Mochiduki
救急救命士学科 第17期生
甲府工業高校 出身
メッセージ
「即戦力となる技術を身につける」 私は幼少期から看護師である親の姿を近くで見てきたことから、人の命を救う姿に憧れをもちました。誰よりも早く傷病者と接触し、1分1秒でも早く処置や病院搬送を行い、1人でも多くの人を救いたいと思い救急救命士を目指しました。現場で即戦力として多くの人々を助けられるよう、山梨県と同じ自然豊かな環境で基礎的知識や技術を身につけることができる本校に入学しました。 |
小林 大起 さん
Daiki Kobayashi
救急救命士学科 第18期生
長野日本大学高校 出身
メッセージ
「覚えたことが答えに繋がる」 私は長年住んできた長野市で、人の命に携わる仕事がしたいと思っていました。その中で現場に行って救命も救助もしたいと考え、救急救命士を目指しました。 勉強は大変なことだらけですが、シミュレーションやテストなどで覚えたこと一つ一つが、線になって答えに近づいていくのがとても嬉しいです!また、今私はシミュレーションサークルに入部し、年に1回開催される学生救急救命技術選手権に出場し上位入賞できるように仲間と切磋琢磨しています! |
千村 咲弥 さん
Sakuya Chimura
救急救命士学科 第18期生
松商学園高校 出身
メッセージ
「最前線で人の命を救う」 私が救急救命士を目指したきっかけは、高校時代に友達が交通事故で亡くなったことでした。このような経験をしたことで、命の危機に瀕している人を助ける職業がないのかと考え調べていくうちに、救急救命士という最前線で人の命を救う職業を見つけました。そして、自分もそのような職業に就きたいと思い入学を決めました。 これからも基礎を大事にしながら、さらに知識や技術を身に付け、消防官として活躍できるように努力します。 |
卒業生からのメッセージ
伊藤 来貴 さん
Raiki Ito
救急救命士学科 9期卒業
上伊那広域消防本部 所属
(上伊那農業高校出身)
メッセージ
「強い思いで夢は叶う!」
本校を卒業し、早4年が経過しました。現在は救急救命士として救急出動するほか、救助隊員・消防隊員として救助現場や火災現場に出動しています。本校ではシミュレーションや座学に加え、他の学校では経験することができない礼式訓練を学ぶことで、消防署で勤務するための基礎を構築することができました。とても楽しく、充実した3年間でした。
学校生活で一番大変だったのは、国家試験と公務員試験を両立しなければならなかったことです。3年生になると9月から就職活動が始まります。消防本部によっては合格発表が12月下旬になるところもあり、国家試験の勉強に集中できませんでした。私自身勉勉強がとても苦手で苦労はしましたが、熱心に指導してくださる先生方、ともに高め合える仲間たちのおかげで、夢を叶えることができました。
専門学校での勉強も大変ですが、消防士という職業は一生勉学に励み、国民の生命と身体及び財産を守っていかなければなりません。消防士や救急救命士になりたいという強い思いがあれば、必ず夢を叶えることができます。入学する時の強い気持ちを忘れずに学校生活を楽しんでください。
牛山 和紀さん
Kazuki Ushiyama
救急救命士学科 11期卒業
諏訪広域消防本部 所属
(岡谷南高校出身)
メッセージ
「仲間と切磋琢磨して乗り越える」
消防士になり早3年目を迎えましたが、現在は救急のみではなく、消防・救助にも携わるようになり、先輩方から様々なことを指導していただいています。
私が救急救命士を目指した理由は、高校2年性の時、野球部の練習中に頭部に打球が当たってしまう事案がありました。その時、対応してくださった救急隊の姿を見て消防士を目指し、救急救命士の資格を知り、目指すようになりました。
学校生活では同じ志を持った仲間たちと切磋琢磨しあえたのは今でもいい思い出です。もともと勉学に自信はありませんでしたが、先生方の手厚い指導のもと頑張ることができました。
メリハリをしっかりつけ、オン、オフの切り替えを学生時代に身にづけておくと役に立つと思います。
消防士は、決して楽な仕事ではありません。時には、悲惨な現場に出場しなくてはありません。ですが、社会復帰された方がご挨拶に来た際はこの職業をやっていてよかったと思います。
やりがいは十分あると思います。大変なこともあると思いますが、辛くなったら自分がなぜ救急救命士を目指しているのか振り返って、同じ志を持った仲間たちと乗り越えてください。